マッサージをするには資格が必要だがなくてもできることはある

マッサージは16世紀の後期にフランスで生まれ、東洋医学に基づいた手技療法で、皮膚の上から体の奥の方に向かって手で施術をすることによって、体の内部の筋肉や血管などを刺激して血液やリンパ液の流れを良くしたり筋肉をほぐしたり、腸などの内臓の働きを良くして代謝を促します。
体の末梢部分から心臓部に向かって施術をしていくのが施術法で、同じような手技療法でも中心部から末梢部分に向かって施術をする「あんま」とは異なります。
日本ではもともとあんまが行われていて、マッサージが取り入れられたのは明治時代です。
当時の軍医がフランスに行って視察をして研究が行われ、一つの医療法として使われるようになったことが始まりで、その後手技が技術体系化され、あんまや鍼灸師とともに免許や医師免許がなければ事業として施術をすることはできないようになっています。

あんまマッサージ指圧師

その資格とは「あんまマッサージ指圧師」というもので、国家資格の一つで、医師以外ではその資格を持つ人のみが病院やサロンなどで施術をして病気の治療を行うことができ、健康保険の取り扱いもできる資格です。
免許を持たずに治療目的で、他人の体に触れて施術をすることは法律違反となります。
国家試験を受けるためには、高校を卒業後に厚生労働大臣が認定する大学や養成学校などで3年から4年間学んで受験資格を得る必要があります。
学校では体に関する基礎的な勉強や専門分野を学び、臨床実技も行います。
基礎分野では心理学や栄養学など人間生活の基礎的な知識を深めたうえで、「人体の構造や機能」「病気の成り立ちと予防や回復の促進」などの専門基礎分野を学びます。
専門分野では実際の施術についての知識や技術を学び、施術師として社会で果たすべき役割なども学んでいきます。
臨床実技では、一人一人の患者さんに合った施術方法を知るために、問診や検査の仕方、患者さんとの接し方などについて学んでいくのです。
これらのことを3年間学んだうえで国家試験の受験資格を得ることができ、そのうえで1年に1度春先に行われる国家試験に臨んで、合格すれば有資格者となって事業をすることも可能になります。

参考:【完全個室】メンズエステ・アロママッサージならアロマリティア《前橋店》

エステティックサロンやリラクゼーションのスタッフについて

とはいえ、エステティックサロンやリラクゼーションなどの施設で、体をもみほぐすことを事業としているスタッフはたくさんいます。
その人たちがみな免許を持っているのかというとそうとは限りません。
つまり免許がなくても他人の体を触ってもんだりさすったりすることはできるのですが、それはマッサージではないからできることなのです。
もみほぐすだけなら筋肉をほぐしているだけであって、疾病の治療のために血流に添って心臓に向かって施術をしているのではありません。
ただ資格がないので、「もみほぐし」や「リラクゼーション」という名称で店を出すことになります。
肩や首の筋肉をほぐしたり、美容師が気持ちの良い程度に頭から肩にかけて揉んだり刺激を与えたりしていることが良くあります。
それらは疾病を治療することが目的ではなく、単にお客様の緊張をほぐして気持ちの良い状態にするための行為です。

リンパ液や血液を足先から上に流すためにふくらはぎを摩る行為

リンパ液や血液を足先から上に流すためにふくらはぎをさすったり、顔のむくみを取るために顔の表情筋をほぐしたりすることを一般的にマッサージと呼んでいますが、その場合は疾病の治療を目的に他人の体を触っているのではないので、免許も資格も必要なく気楽に行うことができます。
リンパ液は古くなった細胞などの老廃物と栄養素を含みリンパ管を通して運ばれていきます。
リンパ液は血液のように流れず、とてもゆっくりと流れています。
また血液は循環していますが、リンパ液は各体の部位や末端からリンパ節を通って、最後は鎖骨のリンパ節から静脈に合流します。
このようにリンパ液はゆっくりと流れていて、心臓のように血液を流すためのポンプもないので、自分でもんだりさすったりして流してあげることが大切になってきます。
そうすることでリンパ液の流れがスムーズになるだけでなく、血液循環も良くなります。
リンパ液を流すことで老廃物の代謝を良くすると同時に、栄養素を全身に届けることができ、おまけに血液循環が良くなって冷え性や代謝の改善をすることができるので、リンパを流すことは体の不調を改善する効果はあるのです。
そしてより効果を実感するためには、体が温まっているお風呂上りに水分補給をしてから行うと良いでしょう。
体の末梢から中心部に向かって、もむというよりも肌をずらすような感覚で行います。

まとめ

このように病気を治すことを目的にして施術をするマッサージは、医師か専門の国家資格を持った人でないとできず、無資格で行うと法律違反になりますが、リラクゼーションを目的としてサロンや美容室などでお客様の方などをもんで筋肉をほぐして気持ちよくさせたり、自分でふくらはぎや顔などをさすったりしてリンパ液を流すために行うことは免許がなくても行うことができます。

最終更新日 2025年7月19日 by errestauro